Topへ
よくある質問とお答え
ご相談にお答えします 質問の内容については、本人の特定がなされないよう、
性別や年齢、職業などに加工を加えております。
------------
ご質問
前のQ140に引き続きますが、病気の早期発見・早期治療には、本人だけでなく、家族がその気配を感じ取って受診させるということですか?
お答えします
その通りです!どんな病気も、いきなり病気の診断基準を満たす状態になるわけではないからです。
 例えば、「何となく朝起きにくくなってきた」と言う事実の中にもいろんな原因があると思います。熟睡感が乏しい感じとか。朝起きて学校に行くことに億劫な感じがしてきたからとか。それはクラスの人間が面倒くさいのか?楽しかった部活に何となく面白さを感じなくなってきたからか?いじめられることがあるのか?周囲から批判されたり嫌われていると感じて苦しくなっているのか?・・・その変化に自分が気付くことが大切なんです。それを表現できれば早期発見になりますね。そこのところを聞き出していくのが私たち精神科医ではあるのですが、おうちの方の方が何倍も「いつもとは違う」気配の察知には優れているのです。何でも医者の前に連れてきて黙って座らせたら、医者が聞き出して解決してくれるかのように思ってはいけません。
 お母さんの中には「私には何も語らないので、先週から登校しなくなった理由を聞き出して欲しい。味野医院受診したら話すかも知れない。なるべく早く予約を取ってほしい。」と言って予約を取る電話をかけて来られますが、それは???です。初めて会ったどんな人間かも分からない医者に、子供が悩みを語るでしょうか?医者の権威で子供がペラペラしゃべるなんて、子供をバカにしてはいけません。そして、一番大切な自分の子供の問題点を、自分が格闘しないで、医者に丸投げする親であって良いものでしょうか?
 何度も申し上げます。子供はバカではありません。親が自分に正面から関わってくれる親であるかどうかが試されているのです。親が子供の問題を医者に丸投げするとき、子供は「ああ、また、この親は他人任せにして、私の悩みから逃げて、向き合ってくれないのだ。」と思うことでしょう。行けていた学校に行けなくなって1週間、この子はどんな辛いことがあったのだろうか?言葉、仕草、態度、食べっぷりなどなど、これまでに何かサインはありませんか?
 気配を感じて早期発見を、と言う話に戻ります。以前はさほど心配性でなかった子が、気が小さくなって引っ込み思案になるとか、自分はダメ人間だとの過小評価するようになってきたら、「いつもとちょっと違うぞ」、と心配していただきたいです。学校や仕事に行かなくなってしまう前には、長い過程があり、最初の症状は「ちょっと疲れやすいな」だけから始まっている子が多くあることも知っておいて、早めの気づきをしていただきたいです。そして家族が沢山の情報を持って初診の診察室に同伴して付き添って座って下されば、味野医院の私のような医者であっても、家族の情報提供によって名医並みの診断、治療計画が立てられることになるのです!ことにスクールカウンセラーや保健室の先生からのご紹介を受ける時などは、思春期の被害妄想、対人関係の過敏緊張の危機に直面していることも多く、なるべく早急に介入し見立てをさせていただくことが大切だと思っております。
味野医院トップページへ