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よくある質問とお答え
ご相談にお答えします 質問の内容については、本人の特定がなされないよう、
性別や年齢、職業などに加工を加えております。
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ご質問
広汎性発達障害ということで、味野医院で精神障がい者保健福祉手帳(ピンクの手帳)を申請する診断書を書いて貰った者です。30代、男性、必要な薬はありませんが、診察だけで定期的に月に1回受診もしております。今は障がい者枠採用で、老人介護施設で就労し、洗濯、掃除、コロナ禍になってからは消毒作業も増えました。対人関係が一番苦しく分かりにくく、職場の人からは「やる気あるの?」とまだ言われています。先生との診察中のテーマはいつもコレですけど、自分はいつまでも進歩してないなと気持ちが落ちています。

お答えします

いくら障がい者枠で企業に就職したからと言って、職場内の配慮十分にはなかなか受けられません。職場は訓練学校ではないからです。しかし採用者は「障害に関わる主治医意見書」を参考にしていますが、一度就職すると、よほどのトラブルが起こらない限り、ケース会議などにはならない企業が多いようですね。あなたの職場にも「就労支援者」は特別に居るようではありませんね。
 もっとトラブルのある患者さんの場合には、上司が味野医院のその方の診察日に同伴を希望され、ご本人が了承されれば、入室していただき具体的な問題についてお話を伺っています。診療予約を取る時に「企業の人が来る」旨をおっしゃっていただきますと、いつもより診察のお時間を取れるところを考えて設定致しております。間に立って雇用者と雇用される者同士がよりよく適応できますように、味野医院なりにお役に立てればと考えております。
 あなたのように、「仕事をやる気があるのか。どうもそうは感じられない」との苦情を言われている人には、共通の特徴があるように私は感じています。いわゆる発達障害系の方の弱点である「コミュニケーション能力の低さ」から来る苦情です。Q&A.38に「周囲との対人関係がもてる力」について記載しております。羅列するのは簡単なことですが、実際はむつかしいことです。しかしあなたは確実に成長なさっています。発達障害の方も、引きこもっていては対人関係能力は成長しませんが、毎日冷や汗をかき、涙を流した分だけ、あなたは弱点部分を発達させ成長されてきておられます。あなたの質問の最後の部分で、「診察場面のテーマはいつもコレです」と言われましたが、実は以前あなたは「コレ」「それ」「あの場合」とか言われると、え?これってどれ?と戸惑っておられました。今は「コレ」「それ」を使いこなしておられます。あとは、相手から意見を言われたときに、「あなたの話を聴いていますサイン」として、うんうんと頷く(うなづく)仕草を送ることを心掛けてください。分かりにくい時は小首をかしげる「分かりませんサイン」を出して、聞き返すことができれば、あなたの意欲をもっと表現できると思います。私との診察場面ではそのサインが出せていますから、もうひと頑張りではないかと思います!私たちはお互い、人生死ぬまで人それぞれのペースで成長していく可能性を神様からいただいていると思います。そしてちょっと頑張るには厳しすぎる状況からは身を避けることも大切だと思います。
精神障がい者保健福祉手帳についてはQ&A30もご覧ください。

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