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ご相談内容

30代の男性です。かつては仕事もしていましたが、現在は引きこもりで長く就労できていません。学生時代のいじめが、就職してからも続き、対人恐怖症です。今まで女性とお付き合いをしたこともありません。学生時代、男同士で女の子の噂話をしたり、雑誌の回し読みをするといった男子仲間の交流ももったことがありません。最近アニメや漫画の世界の、“BL ボーイズ・ラブ”や“百合”に興味を持っていますが、これって性的異常者なのでしょうか?

お答えします

思春期に入ると、自閉症性スペクトラム障害、広汎性発達障害などと言われている人は「少しほかの人とは変わった子」という個性があって、対人コミュニケーションの苦手なところもあることから、いじめを受けやすく、いじめた時のその子の反応がまたちょっと変わっている点から、面白半分にからかわれることがあるようです。私自身も小・中・高・大学時代とずーっと“変わった子ちゃん”と言われてきたのですが、大人になるまで自分がどう変わった子ちゃんなのか自覚できていませんでした。そんなわけで、女性同士の親友関係もなかなか構築できず、ましてや異性との日常的な会話では緊張し過ぎて、ますます変な子ちゃんでした。 正常な対人交流の初歩は、「同姓との親しい関係作り」からスタートするものです。幸運なことに私は、中学時代には4対4の男女グループ交際のメンバーに入れてもらっていました。多分、引き立て役か薬味みたいな役目で、トモエちゃんがいたら危険な交際にはならなかろう、と先生方が了承する役目もあったろうと思いますよ。その中の一人の女の子とは今でもお付き合いができています。感謝です。大学に入ると、一人の女医学生から入学式に声を掛けて貰えて、なんとペア・ルックをして、手をつないで歩く関係になりました。悩みを打ち明け合う同姓との深い交流の段階に入ることができたのです。今時ならば“レズ”とか“百合”とか“ガールズ・ラブ”と呼ばれるのでしょうか?それとも“百合”は美し過ぎるボーイズ・ラブ”のことですか?つまり、青年が、異性に目覚める前には、同姓とコミュニケーションを深め、“同性の仲間時代”“男の子ならば同姓のギャング時代”を経過することが必要なのです。その機会がなかった人々も、“おたくのグループ”“精神科デイケア内や職場内での兄弟みたいな関係”を体験して、男女の恋愛のできる対人能力獲得へのステップとすることができると思います。 男であれ女であれ、同姓との仲間関係作りが、いきなり性的行為に及ぶというのは私としては了承できませんね。異性の交際にしても、「心より身体」からいきなり接近する軽率で危険な風潮は問題ありです。直木賞受賞の山田詠美さんはいろんな形のラブを描写されています。初めて高校生男子の患者さんから、そのボーイズ・ラブの本を紹介されたときにはドキドキで考えるところが多かったです。あなたもゲームを卒業なさったら、小説を読むことをお薦めいたします。本は、立ち止まって考える時間もあります。引き返して再度味わってみることもできます。ゲームのように忙しく走り去っていく感じ方とは異なって、心の中に「性行為に興味を奪われるだけでなく、それを超える愛」の感性が育つと思います。

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